高血圧症のこと

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高血圧と高血圧症は違います

高血圧とは一時的に血圧が高くなったり、血圧が上がりやすい環境にいる状態のことです。この高血圧の状態が日常的に長く続くと「高血圧症」になりやすくなります

高血圧症

血管そのものが劣化、もしくは血管の通り道が狭くなったり詰まったりして、血管内部の圧力が常に上昇している状態のことです。高血圧症が発症していると、動脈硬化の合併の可能性が高いというわけです。また、ガンにより高血圧症になる場合もあります。

めまい動悸息切れ貧血不整脈など、高血圧症が原因となって起こる症状です。

また高血圧症は、血液の流れに障害が起こっている状態なので、身体に十分な酸素と栄養分が行き渡らないため、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)や心疾患(心筋梗塞、狭心症など)などの合併症が起こるリスクが高くなります。また早期発見が難しい慢性腎臓病にもつながります。

怖いのは、高血圧症は自覚症状がないままに進行し、ある日突然に合併症に襲われるので他の生活習慣病の糖尿病高脂質症と共に別名「サイレント・キラー(沈黙の暗殺者)」と呼ばれています

血圧とは

血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の壁を押す圧力のことで、ポンプの役割のような心臓の流れに合わせて、血管が収縮と拡張を自動的に繰り返します。

収縮期血圧/最高血圧(上の血圧 心臓がぎゅっと縮むことで大量の血液が送り出され血管に大きな圧力がかかる状態
拡張期血圧/最低血圧(下の血圧) 心臓が広がり血液の流れがゆるやかになり血管にかかる圧力は低くなる状態

血圧は絶えず変動していて、運動、入浴、食事、飲酒や、人前で緊張すると、血圧はすぐ上がります。座ったり横になったりする安静の状態や睡眠中は下がります。このように一時的に血圧が上がる高血圧の状態と、病気の高血圧症とは違います

 血圧の診断基準

   診察室血圧(mmHg)

分 類収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
正常血圧 <120かつ  <80
正常高値血圧 120~129かつ  <80
高値血圧 130~139かつ/または  80~89
I度 高血圧 140~159かつ/または  90~99
II度 高血圧 160~179かつ/または  100~109
III度 高血圧 ≧180かつ/または ≧110

 家庭血圧(mmHg)

分 類収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
正常血圧 <115かつ  <75
正常高値血圧 115~124かつ  <75
高値血圧 125~134かつ/または 75~84
I度 高血圧 135~144かつ/または 85~89
II度 高血圧 145~159かつ/または 90~99
III度 高血圧 ≧160かつ/または ≧100

参考:日本血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2019」

高血圧の原因

◆ 糖質過多による食生活

過剰に糖質を食べるとインスリンが大量に分泌されます。インスリンは、腎臓でナトリウムや水分の再吸収を働きかけるため、循環血液量が増加して血圧が上昇してしまいます。このしくみで高血圧になっている人は糖質制限で血圧が速やかに下がります。また、減量効果による体の負担軽減も血圧を下げることにつながります。

糖質制限による高血圧、高血圧症の改善は劇的です。

◆ メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームも高血圧の原因のひとつです。

内臓脂肪型肥満で、インスリンの働きが悪くなると(インスリン抵抗性)、膵臓から大量のインスリンが分泌します。インスリンは腎臓からの塩分(ナトリウム)の排泄を妨げる作用があり、血液中の塩分濃度が上昇し、高血圧や腎臓に負担をかけることになります。

内臓脂肪型肥満、メタボリックシンドロームは、糖質制限は劇的に改善します

◆ 塩分の摂り過ぎには要注意

高血圧の最大の原因は、食塩摂取量の多さです。

厚生労働省の平成30年(2018年)「国民健康・栄養調査」によると、成人1日の食塩摂取量は、
男性11g女性9.3gです。

1日の塩分摂取量(食塩摂取量)の基準
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、男性7.5g未満女性6.5g未満です。また日本高血圧学会では、1日6g未満、WHO(世界保険機関)では1日5g未満としています

減塩ブームといわれていまが、まだまで塩分摂取量は多いようです。

◆ その他

血圧は高齢になるほど高くなる傾向がありますが、遺伝的に高血圧になりやすい体質を持っている人がいます。家族で高血圧の人がいる場合、高血圧になりやすい体質だと認識し、食事、飲酒、喫煙などの生活習慣にも気をつけましょう。

血圧を上げるナトリウム

一概に「食塩」といいますが、血圧を上げる物質はナトリウムです。

食塩の約40%がナトリウム量で「食塩相当量」になります。次の計算で食塩相当量が算出できます。また計算が面倒な人は、下段の数値を覚えておくと良いと思います。

  • 食塩相当量(グラム)=ナトリウム量(ミリグラム)× 2.54 ÷ 1000
  • 食塩相当量1g=ナトリウム量 約400ミリグラム(393ミリグラム)
低糖ですが控えめに! 
低糖のハム、ソーセージなどの加工食品、ビーフジャーキー、干し魚などは糖質制限ではOK食品ですが、ナトリウム量が多いので、控えめに召し上がって下さい。

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