特集

糖質制限推進派医師のアドバイス:糖質の多い病院食に対して患者はどう対応すべきか

2019.12.12


【豆腐と飲みもの以外は”糖質の多い”おかゆ・甘いヨーグルト・フルーツの病院食

入院中に出される病院食は最適な食事だと思っていませんか。

ところが「病院食は悩みの種です」と糖質制限推進派医師が言う通り病院食は糖質の多い献立(炭水化物約60%)で占められています

糖尿病患者の食事療法ですら血糖値を上げる炭水化物がメインです。おかしな話ですが、炭水化物を控える代わりに、血糖値を上げない薬を食前に服用しているのが現状です。また減量やメタボリックシンドロームの食事療法もカロリー基準なので、”太るホルモン”インスリンを分泌させる糖質は控えていません。

※ 炭水化物は糖質+食物繊維。血糖値を上げるのは糖質だけです。

 

病院食のメインは炭水化物(糖質)

先ずは、実際の病院献立の一例を見てみましょう。

甘いもの依存症&肥満により肺血栓塞栓症で倒れ、生き方を改めた夫婦【File No.12】に掲載した患者の〈糖尿減塩〉食です。

赤字はすべて糖質の多い食品(炭水化物)です。

◎ 朝食炭水化物 81.7g タンパク質 22.7g  脂質 17.4g 552kcal】
ロールパン、低カロリージャム、チキンフレーク和風サラダ(人参・みりん使用)オレンジ、牛乳 △

◎ 昼食炭水化物94.3g タンパク質26.3g 脂質18.5g 塩分1.9g 669kcal】
ごはん、カレイの中華風みそ(みりん、料理酒、上白砂糖使用)、肉団子の甘酢あん掛け(スーパーフライ、たまげに、ケチャップ、上白糖、片栗粉使用)マッシュポテト

◎ 夕食炭水化物71.9g タンパク質24.2g 脂質21.9g 塩分2.3g 586kcal】
おにぎり、お好み焼き ⇐ 極み! 白菜のショウガ和え(人参、みりん使用)、きのこソテー

1日の栄養成分合計は【炭水化物 247.9g (約65.4%) タンパク質 73.2g (約19.5%) 脂質 57.8g (約15.2%) 1807kcal】となっています。

減量・メタボリックシンドローム・糖尿病などの改善に最も効果のあるスーパー糖質制限では、糖質の摂取は1食あたり10〜20g、1日30〜60gです。一方、炭水化物=糖質+食物繊維なので食物繊維を差し引いたとしても、この病院食の糖質摂取量は1日約200g!驚くべき値です。

 

糖質制限推進派医師のアドバイス

糖質制限食に理解のない病院(まだ多くがそうだと思いますが)に入院してしまった場合、医師、看護師、管理栄養士などを含む病院側へどう対応したら良いのでしょうか。複数の糖質制限推進派医師からお話を伺いました。

病院側の理由

病院側にも、病院食を糖質制限食で対応することが難しい理由があります。

1.病院は、患者に最適な栄養管理を提供するため、Nutrition Support Team(NST)という医師、看護師、薬剤師、栄養管理士などで構成されている栄養サポートチームがある。食事自体が医療行為なので、管理栄養士は主治医の指示に従い献立を考える。主治医をはじめNSTチームの糖質制限の理解が必要。

2.同様に、管理栄養士はカロリー基準の栄養学を学んでいるのでその理念を変えることは難しく、特に年配の人は自負もあり糖質制限を認めない人が多い。

3.病院食は病院の給食課で大量につくるので自由がきかない。糖質制限食などの献立を特別につくることは難しい。

4.コスト面から炭水化物は最も安価な食材であり、低糖質+高タンパク質の肉や魚を多く取り入れる献立は割高になる。糖質制限食を実際に取り入れている病院もあるが経営的には厳しい。

 

クレイマー患者扱いされない対応策

基本は『ごはん、おかゆ、パン、麺などは食べない』『低糖食品を持ち込んでもらう』です。

  • 入院中にNSTの栄養士さんか看護師さんが、病院食をおいしく食べられているか、尋ねてくるはずなので、なるべく低糖質、高タンパク質の食事をしたいと伝えても良いかもしれません。
  • 持ち込み食の許可を頂くのがスマートです。
  • 許可されない場合は、ごはん、おかゆ、パンなどは食べず、おかずを中心に食べて下さい。病院の売店で買ったり、家族に持ってきてもらい、豆腐、卵豆腐、チキンなどを捕食してください。
  • 食べられるなら唐揚げなどを追加で食べても良いかもしれません。
  • 病院と波風を立てたくなければ、メニューはそのままでも、食べる順番と持ち込み食を利用します。一口サイズに切った持ち込みの肉・魚・卵・チーズなどを最初に食べる。次に野菜、最後に糖質の多いごはん、麺、パン、フルーツなどを食べる。とにかくよく噛んで何も考えずに食べる。食事時間をいくらかけても完食さえすればスタッフは安心します。
  • 栄養士さんとバトルをするのが好きな方は「炭水化物60%の食事はおかしい、私は糖尿病があり、糖質を摂取すると血糖が上昇するので食べない。現在の炭水化物60%、タンパク質20%、脂質20%は間違っている!」と主張される人もいるようです(少数派ですが)。
  • 米と麦にアレルギーがある」と主食を食べずに乗り切った患者さんもいました。
  • ごはんをビニール袋に入れていた患者さんもいました。
  • 整形外科などなら食事に無頓着ですので割と簡単ですが、内科系の入院だと主治医次第でしょうね。

 

肺血栓塞栓症で入院したジョンと妻の対応策

前述の肥満のジョンは減量が必須にもかかわらず、ICU(集中治療室)の時点から糖質の多い食品ばかりで「タベルモノガナイ!」と非常に困ったそうです。※トップ写真はジョンのICU病院食

どうしたら回避できるか奥さんと相談し「外国人なので主食のごはんや麺類は食べない」と病院に交渉、幸い希望は通りました。


【病院へ持ち込んだ豚肉と卵焼き、カプレーゼサラダ、もずくの低糖質弁当】

一般病棟に移り動けるようになると、妻が持ち込んだ肉・魚・卵メインの低糖質+高タンパク質弁当(血栓を溶かす薬を投与してるので禁止食品は除く)を談話室で密かに食べていたそうです。

病院食に期待するのは困難です。あなたはどの対応策を取りますか?

 

ページの先頭へ