『糖質商戦』で誘引される消費者

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節分の日、スーパー、デパート、コンビニなどには、糖質の多い恵方巻(巻き寿司)がズラリと並んでいた。糖質制限推進派整形外科医の花岡篤哉先生は「糖質は人間の社会生活に深く、深く、染み入っています」「人は糖質で感謝を示します」とおっしゃる。

確かに、クリスマスのデコレーションケーキ、バレンタインデーのチョコレート、ホワイトデーのスィーツは季節の風物詩になっている。お歳暮やお中元などの贈答品はお菓子、フルーツ、ジュースなどが定番だ。

誘引する品はみごとに糖質ばかり!

餅、おはぎ、月見団子などの和菓子を祭事に食べる風習は昔からあるが、洋菓子が主流になったのはいつからだろうか。

1970年代人々の生活が豊かになると、子供達が喜ぶクリスマスケーキと鶏のモモ焼きが食卓にのぼり始めた。1990年代になり「節分に恵方巻1本を吉方に向いて食べると福が来る」というキャッチで縁起寿司が登場した。バレンタインデーもしかりだ。もともとキリスト教徒が多い欧米では恋人や家族など大切な人にプレゼントやカードを贈るが、日本ではチョコレートがプレゼントの定番となった。

こうしてみると、人々を誘引する品がみごとに糖質ばかりなので、この社会現象を『糖質商戦』と名付けてみた。『糖質商戦』により消費者は、糖質に惹き付けられケーキやチョコレートなどの購買意欲に火が付く。『糖質商戦』は甘さの魅惑だけでなく、”お祭りごと” や ”縁起かつぎ” を上手に利用している。

複雑な心境になる贈答品

糖質制限実践者はこの『糖質商戦』には乗らないが、糖質の多い食品の贈答品を頂く度に、贈り主の気持ちを考え複雑な心境になる。

職業柄、贈答品の多い糖質制限推進派医師が本音を語ってくれた。

女性は甘い物が好きと思われているのか、チョコレート、ケーキ、焼き菓子などが届きます。お気持ちは大変ありがたいだけに辛いです。

お中元も、お歳暮も、多くは糖質なので、ほとんどが職員さんに渡るので喜ばれています。糖質を摂らないことを知っている人からは、焼酎が届きます。

ナッツ、オリーブオイル、コーヒー、紅茶、緑茶、甘くないワインなどは大歓迎!先日、超新鮮しらす干しが届きました。色々悩んで選んで下さったのだろうと、ありがたみが増します。

『糖質商戦』で使われる”高級”とは

高級=よい材料を使用しているとは限らない。工場生産の高級お菓子でも、トランス脂肪酸のマーガリン、ショートニングは必ず入っている。加工デンプン、人工甘味料のスクラロースなどの添加物が入っていても、世間では高級菓子という認識だ。

ブームになった高級食パンもマーガリンが入っている。マーガリンやショートニングを入れるとフワフワになるらしい。日本人はフワフワ、もちもちの柔らかいパンが好みだが、ヨーロッパで食べる添加物なしのパンは固いが味がある。歯科医江角恵理子先生によると「日本人は唾液の分泌量が少ないと言われています。口の中の水分取られる食べ物は苦手なのでしょう」

おせち料理も、今ではすっかり『糖質商戦』品目に仲間入りだ。予約する高級おせち料理は糖質が多いだけでなく塩分も高い。保存料など添加物も含まれているようだ。実際、和食の砂糖の使用量は半端ない。それを裏づけるように、結婚して初めておせち料理に挑戦した糖質制限仲間の息子さんが一言「おせちって半端ない砂糖の使用量なんや!」と驚いたそうだ。


『糖質商戦』の中で糖質制限はジワジワと浸透してきた。しかしミスリードも多い。糖質ゼロビールに、とろけるバターがのったホクホクのじゃがいも?「いもは糖質の多い食品!この組み合わせはないでしょう~」と、大手ビールメーカーに突っ込みたくなった。テレビCMの話だ。

 

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