乳牛のステーキ肉

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温泉町湯河原(神奈川県)のスーパーで分厚いステーキ肉を見つけた。”国産牛サーロインステーキ用”と表示されているが輸入牛並の価格だ。一抹の不安から「これは、どういう牛肉ですか?」と食肉販売責任者に単刀直入に伺った。

「これは乳牛の肉です」「肉質等級が低いのでこの価格です」「霜降り肉と違い赤身が多くヘルシーですよ」

店頭に並んでいる乳牛ステーキ肉は、2cm~3cmの厚みがあるので、ステーキ肉ならではの味を存分に楽しめる。糖質制限には必須のたんぱく質補給もできる。さらにエネルギー源になる脂肪摂取も必要なので、赤身肉に付いているきれいな脂身も気になる。

価格は100gで300円以下と買いやすい。冷凍保存できるので何パックか購入した。

食用としての乳牛(雄牛と雌牛)

お恥ずかしい話だが、糖質制限でほぼ毎日食べている肉類で、乳牛が食用になっていることを初めて知った。

少し調べてみると、国産食用牛の約1/5は、白黒模様のホルスタイン種など乳牛の雄牛【通称:乳雄(にゅうおす)】ということだ。乳雄は子牛から肉用牛として肥育されるので、肉質は柔らかく赤身が多いのが特徴だ。和牛のように肥育に手間と時間がかからないため、買いやすい価格になるようだ。

一方、雌牛も乳牛としての役目を終えると食用肉となる。雌牛の肉は脂肪が少なく硬いという欠点もあるようだが、ブランド和牛と比べて格安なので、大衆向けの牛丼、ハンバーグ、食べ放題の焼き肉、ミンチ肉、さらにペットフードとして利用されている。

トレーサビリティがわかる牛の個体識別情報

さらに調べていくと、カカオ豆、珈琲豆のように牛肉にもトレーサビリティがあることがわかった。

家畜改良センターのウェブサイト上の『牛の個体識別情報検索』で、パッケージに記入されている個体識別番号を入力すると、牛の種類と性別、出生の年月日と出生地、飼育施設所在地と飼育者名などの情報が一目でわかる。

早速、上記写真の商品名シール〈国産牛サーロインステーキ用〉の下にある個体識別番号1334785793を入力してみた。

ホルスタイン種メス、出生2013.06.05、秋田県雄勝郡羽後町・・と続く。今回、まとめ買いしたので個体識別番号は同じだった。つまり同じ乳牛からのステーキ肉と言うことだ。

個体識別番号からこの雌乳牛の一生を見取った感じがした。改めて食用として動物の命を頂いていることに気づかされる。

少々固いが満足感のあるステーキ

乳牛ステーキ肉は、大体1枚300g以上はあるが、分厚い肉なので常温(20度位)に1時間以上置き、焼く直前に粗塩と黒コショウをふる。美味しい焼き方はネットでいろいろ書かれているので割愛するが、主人も私もミディアムレアが好みだ。

写真ステーキは1枚219gの乳牛肉(♀)。赤身から食べてみる。雌牛なので確かに少々固いが、噛むほどに素朴な肉の味がする。ただし「やわらかい霜降りの和牛が最高」と思っている人は、好みの肉ではないと思う。※ 固い肉は筋切りだけでなくフォークで肉を刺してから焼くとやわらかくなる。

少し話は脱線するが、糖質制限推奨派医師で肉食派(MEC食)の田中亜矢子先生によると、霜降りの高級和牛はあくまでも嗜好品ということだ。

普通の牛肉はたいがい食べていた餌のにおいがするが、これは変なくさみがない。少しだけミルクのかおりがする。においに敏感な私には非常に食べやすい牛肉だ。

脂身は胸焼けするのでいつもは食べない主人が少量だが食べていた。私は肉も脂身も完食した。昔、テキサスやメキシコで食べた放牧牛(グラスフェッド)の「肉らしい食感と味」を思い出した。


乳牛ステーキ肉が購入できる店: 業務スーパーエスポット湯河原店
※ 食肉売り場は店舗の奥にあります。

あなたの街でも、乳牛ステーキ肉を探して是非一度召し上がってみて下さい。

 

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