脂質異常症のこと

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脂質異常症とは、血液中に含まれる中性脂肪とLDLコレステロールが多く、HDLコレステロールが少ない状態を言います。

中性脂肪の基準値 
  • 正常  30-140mg/dl
  • 脂質異常症 150mg/dl 以上

自覚症状がないので放置しておくと、動脈硬化が起こり、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすリスクが高くなります。

脂質異常症の原因

中性脂肪を増やす原因は糖質

一般に中性脂肪を増やす原因は高カロリーの脂質摂取だと考えられています。また中性脂肪が多いとLDLコレステロールが増え、HDLコレステロールが減ると言われています。

ところが糖質制限推奨派医師は「中性脂肪を増やす原因は、糖質(炭水化物)摂取」だと考えます。論より証拠で、脂質異常症の患者が、脂質とタンパク質をたっぷり摂る糖質制限食を実践すると、コレステロールや中性脂肪が正常値になるケースが非常に多いです。脂肪肝も改善します

また、中性脂肪と聞くだけで不要なものと思われがちですが、人の体を動かすエネルギー源だけでなく、毛布のように体温を一定に保ち内臓を守る働きをします。

注目すべき肥満・糖尿病のDIRECT試験結果
2008年に科学的な権威雑誌『ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』で公表された肥満・糖尿病の研究があります。この研究で注目されたDIRECT試験は、肥満、過体重の被験者を、低脂肪食、地中海食(オリーブオイル、ナッツ、フルーツ、パスタ、魚など)、糖質制限食を摂るグループに無作為で振り分け、体重の減少を2年間にわたり調査しています。調査の結果、HDLコレステロールを最も上げ、中性脂肪を最も下げたのが、糖質制限食でした。LDLコレステロールに関しては、調査を始めて半年後に上昇していますが、2年後には落ち着いています。

小型LDLコレステロールが動脈硬化を引き起こす

コレステロールは、HDLコレステロールLDLコレステロールに分類され、この二つのコレステロールの合算が総コレステロールです。

善玉と言われるHDLコレステロールは、血管の壁にこびりついたLDLコレステロールを取り除く役割をします。

一方、悪玉と言われるLDLコレステロールですが、最近の研究でLDLコレステロールの中の小型LDLコレステロールが動脈硬化を引き起こす原因で、中性脂肪が増えるとLDLコレステロールが小型化して小型LDLコレステロールが増え、中性脂肪が減ると小型LDLコレステロールが普通のLDLコレステロールに戻ることもわかってきました。

「LDLコレステロール値が上がる、イクラ、タラコ、イカなどコレステロールが多い食品は控えめに」と言われてきましたが、厚生労働省は2015年4月改訂の日本人の食事摂取基準(2015版)で、「科学的根拠が得られなかったため、コレステロールの摂取目標量を撤廃する」としました。

糖質制限で脂肪肝は改善する

脂肪肝は、肝臓に脂肪が異常に蓄積した状態(全肝細胞の30%以上が脂肪の状態)を言います。

肝臓が沈黙の臓器と称されるように、ほとんど自覚症状がありませんが、脂肪肝→脂肪性肝炎→肝硬変→肝ガンへと進むので、メタボリックシンドローム&肥満の人、アルコールをよく飲む人は注意が必要です。脂肪肝は30代~40代を中心に増加傾向にあります。

糖質制限食により10kgの減量に成功し、血圧、内臓脂肪も正常値に、脂肪肝も改善、自身の糖尿病も克服した糖質制限の第一人者である江部康二医師は脂肪肝の根本要因は、脂質ではなく糖質であると言っています。

糖質を摂取すると食後血糖値が上昇→インスリンが大量に追加分泌→中性脂肪の合成→脂肪肝、肥満というプロセスになります。

江部先生が推奨するスーパー糖質制限食(3食ごはん抜き、1日の糖質量30g~60g)で、中性脂肪は分解されるので、減量だけでなく脂肪肝が改善します。

医師推奨の糖質制限食のやり方
従来の糖尿病や減量などの食事療法はカロリー基準ですが、糖質制限の基準は「糖質」を控え、体をつくる「たんぱく質」とエネルギー源になる「脂質」をタップリ摂ることです。糖質制限食の第一人者である江部康二医師が推奨する糖質制限食などをご紹介します。
アルコール摂取に関しては、焼酎、ウイスキー、ヴォッカ、ジンは低糖質ですが、過度のアルコール摂取は肝臓に負担をかけるだけでなくアルコール依存症のリスクも高くなります。やはり休肝日や節酒は必要です。

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