150年前のローカーボ・ダイエット

日本でも近年注目されているローカーボ・ダイエット。米国のアトキンソン・ダイエットがはじまりとされていますが、実は150年前にすでに英国でブームになっていたというのは本当でしょうか?

何をやっても痩せない

19世紀はじめ、英国人ウィリアム・バンティングは、30代から太りはじめ、身長165cm、体重92kgと肥満に悩んでいました。前かがみでは靴ひもは結べないし、階段の上り下りは息切れ状態で、身体の重さが足首やひざに応え、夜はよく眠れない。おまけにへそはヘルニアです。さらに聴力、視力も次第に衰えてきました。

20以上の病院へ行きましたが、医師が薦めたのは軽めの食事でというあいまいな食事療法と運動のみでした。断食に近い食事や、温泉水も飲んでみたり、一週間に3回のサウナ(トルコ風呂)も一年間続けました。水泳やウォーキング、そして一日2時間のボート漕ぎは余計お腹がすいて逆効果で、なにをやっても痩せることがありませんでした。

新しい食事療法

1862年8月、65歳のバンティングは耳鼻咽喉の専門医ウイリィアム・ハービーと出会います。ハービー医師は脂肪・砂糖・デンプンの食品類が、糖尿病に何らかの関係があると考え始めていて、肥満で聴覚障害のあるバンティングに、新しい食事療法を指示しました。

砂糖(当時はサッカリン)、ポテトなどのデンプンが含まれている食品、パイ、タルト、バター、ミルク、ビール、シャンパン、ポートワインは禁止とし、食べて良い食品(1食分)は、牛肉、マトン、鹿肉、鶏やアヒル、猟鶏、ベーコン、キドニー、魚。1回摂取量も170gまでOK。ポテト以外の野菜、ミルク&砂糖なしの紅茶、2,3杯の赤ワイン/シェリー酒(夕食のみ)としました。

パンは少量のトーストのみになりました。

効果は劇的!

8月からはじめたダイエット効果は劇的で、年末までに46ポンド(=約20.86kg)の減量に成功し、ウエストは31cm細くなり、視力も聴力も回復。夜はぐっすり眠れ、体調も良くなりました。

翌年1863年、バンティングは、この経験を元に食事療法とその驚くべき効果を書いた小冊子「Letter on Corpulence, Addressed to the Public(皆様に宛てた肥満に関する手紙)」を発行しました。フリーで配られた個人の小冊子は、最新ダイエットの指南本として人気が出たのでHarrison社から正式に出版されました。

そして、“Do you bant? ” ”I’m banting.” バンティング(Banting)の個人名が、「減量している」の動詞になる程、The Banting Dietはブームになったといわれています。

The Banting Dietは、バターと豚肉がNG(当時この二品目にデンプンが含まれると考えられていました)、料理方法や摂取量が不明ですが、デンプンと砂糖を禁じ肉類OKの食事方法は、まさに150年前のローカーボ・ダイエットだったといえるのではないでしょうか。

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